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丸山 修平; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.31 - 43, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本研究では、データ同化技術を利用して、原子炉物理と放射線遮へいといった異なる分野間で実験データベースを共有することにより、高速炉炉心設計に関連する不確かさを低減することの可否を検討した。本研究テーマの最初のステップとして、ORNLのナトリウム遮へい実験に着目し、ナトリウム冷却高速炉の最も重要な安全パラメータの1つであるナトリウムボイド反応度の不確かさを低減するために実験データを利用することを検討した。一般化摂動論に基づく感度解析をナトリウム遮へい実験に対して実施し、ここで評価した感度係数と、これまでに原子力機構で評価したナトリウムボイド反応度の感度係数を用いて、炉定数調整を実施することにより、ナトリウム遮へい実験データがナトリウムボイド反応度の不確かさ低減に寄与できることを示した。本研究に基づくと、中性子漏洩現象が支配的なナトリウムボイド反応度において、特に不確かさ低減効果は大きくなると予測される。ナトリウムボイド反応度に関する新たな炉物理実験データの取得は今後困難かもしれないが、ナトリウム遮へい実験データがこの役割を部分的に代替できることを本研究は示唆している。高速炉設計における積分実験データの相互利用の価値が本研究によって証明された。
長谷川 雄太; 小野寺 直幸; 朝比 祐一; 伊奈 拓也; 今村 俊幸*; 井戸村 泰宏
Fluid Dynamics Research, 55(6), p.065501_1 - 065501_25, 2023/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Mechanics)格子ボルツマン法(LBM)に基づくラージエディーシミュレーション(LES)に対するデータ同化の適用性を調査した。2次元等方乱流の観測システムシミュレーション実験を行い、空間的に疎かつノイズを含む観測を用いてナッジング法及び局所アンサンブル変換カルマンフィルタによるデータ同化の精度を検証した。LETKFの利点として、ナッジングで必要となる空間補間及び巨視的量(流体密度及び流速)からLBMの速度分布関数への変換を必要としないことが挙げられる。計算条件として格子及び10%の流速観測ノイズを設定した実験では、64アンサンブルのLETKFはの観測点(計算格子点数に対して0.1%程度)でも観測ノイズよりも小さい誤差を示した。これは、ナッジングで同様の精度を示すのに1桁程度多くの観測点数を要する精度である。さらに、LETKFでは観測点数の不足はエネルギースペクトルの振幅には影響せず、スペクトルの位相誤差のみに影響することが確認された。以上の結果により、LETKFは、空間的に疎かつノイズを含む観測を用いた2次元のLBM計算のデータ同化に対してロバストかつ高精度であることが示された。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 朝比 祐一; 稲垣 厚至*; 下瀬 健一*; 平野 洪賓*
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 28, 4 Pages, 2023/05
我々の研究グループでは、都市全域を含む広域の風況場から細かな路地等を捉えたマルチスケールの風況シミュレーションコードCityLBMの開発を進めている。CityLBMは、格子ボルツマン法に適合細分化格子を適用した省メモリ化、および、GPUスーパーコンピュータによる高性能計算により、数km四方に対してリアルタイムのアンサンブルシミュレーションが可能となる。一方、実現象には、モデル化できない複雑な境界条件が含まれているため、観測データをシミュレーションに反映させるためのデータ同化技術が必要である。本研究では、現実の風況を再現するために、アンサンブルカルマンフィルターに基づく地表面温度バイアスの最適化手法を提案した。CityLBMの検証として、東京都心部を対象とした観測システムシミュレーション実験を実施し、地表面近傍の温度から、境界条件として与えている地表面温度を推定する。
長谷川 雄太; 小野寺 直幸; 朝比 祐一; 井戸村 泰宏
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 27, 4 Pages, 2022/06
局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)および格子ボルツマン法(LBM)を用いたアンサンブルデータ同化のGPU実装を行った。D2Q9 LBMによる二次元等方性乱流を対象として、最大32アンサンブルで性能測定を行った。LETKFの計算コストは、8アンサンブルまででLBMと同程度であり、それ以上の大アンサンブル数においてはLBMよりも高くなった。32アンサンブルにおいて、1同化サイクルあたりの所要時間はLBMで5.39ms、LETKFで28.3msであった。これらの結果から、3次元LBMの実用計算に本手法を適用するためにはLETKFの更なる高速化が必要であることが示唆される。
印 貞治*; 島 茂樹*; 中山 智治*; 石川 洋一*; 外川 織彦; 小林 卓也; 川村 英之
月刊海洋, 37(9), p.674 - 680, 2005/09
本報告は、日本海洋科学振興財団,京都大学及び原研が協力して実施している下北沖海域における現況解析・海況予測システムの構築について解説するものである。この事業の中で、原研は同財団からの受託研究として、気候値を使用した海水循環モデル及び海水中放射性核種移行モデルの整備、並びにモデルの検証と改良のための沈降粒子特性データの取得実験を担当している。本解説では、解析・予報システムの概要と整備の進捗状況を述べるとともに、システムを使用した予備計算結果を示した。予備計算の結果、データ同化モデルにより西部北太平洋における解析・予報結果が改善されることが理解され、また下北沖海域特有の沿岸モード(冬季)と渦モード(夏季)がほぼ再現されることがわかった。
蒲地 政文*; 川村 英之; 石川 洋一*; 碓氷 典久*
no journal, ,
2011年3月11日に発生した東日本大震災後、津波により流出した洋上漂流物の北太平洋における分布や大陸沿岸への漂着場所・漂着日時を予測するため、海洋研究開発機構・原子力機構・気象庁気象研究所が共同して、洋上漂流物の漂流シミュレーションを実施してきた。漂流シミュレーションは、海洋データ同化システムMOVE/MRI.COM-WNP,NP、大気海洋結合データ同化システムK7、及び原子力機構が開発した海洋拡散モデルSEA-GEARNを使用して行われた。データ同化を適用して計算された海流・海上風データを使用し、海上風の影響を洋上漂流物の形状毎に考慮することで、洋上漂流物の高精度な予測が可能であることが、実際に確認された洋上漂流物の目視情報等から明らかになった。
山本 真哉*; 櫻井 英行*; 尾上 博則; 増本 清*
no journal, ,
地下水流動を対象とした数値シミュレーションでは、調査により得られる水理特性に関する情報が限られるため、透水係数や境界条件などについて大きな認識論的不確かさが存在する。地下水流動シミュレーションの不確かさを低減する手段の一つとして地下水モニタリングデータのデータ同化手法がある。このうち、多数のサンプルを用いてシミュレーションを実行するアンサンブルデータ同化では、サンプル集合のばらつきから不確かさを確認できるため、物性パラメータなどの不確かさが解析結果に与える影響を容易に評価できる。本発表ではデータ同化の解析結果から得られる不確かさに関する情報に基づき、不確かさの低減に効果的な地下水のモニタリング位置について評価した結果を報告する。
町田 昌彦; 岩田 亜矢子; 山田 進
no journal, ,
最近、新たな海洋問題(マイクロプラスティック等)解決に向けた研究開発の気運が高まり、世界的レベルで沿岸環境の評価を行う必要性が高まっている。特に日本は海洋国家でもあり、その目的達成に果たす役割についての期待は大きい。一方、福島第一原子力発電所(1F)事故以降、沿岸環境での放射性物質の環境動態が注目され、特にセシウムのインベントリーとその動きについての理解が求められてきた。本発表では、1F港湾内外の沿岸環境について、その理解を進めるため、シミュレーション技術開発の現状を示すと同時に、環境動態を理解する上で最も重要なモニタリングデータをどのように反映させるかについて考察した結果を発表する。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 河村 拓馬; 中山 浩成; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
no journal, ,
放射性物質の拡散予測シミュレーションは社会的関心が非常に高く、迅速性および正確性が求められている。人が生活する路地や建物等を含んだ高解像度の実時間解析を実施するためには、計算機性能を最大限に引き出すことが可能な解析手法の開発が必須となる。本課題では、GPUスパコンに適した格子ボルツマン法(LBM)に対して、ナッジング法に基づくデータ同化手法および植生キャノピーモデルを導入することで、都市街区に対する汚染物質の拡散解析の精度が向上することを確認した。
横山 賢治
no journal, ,
OECD/NEA/NSC核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のサブグループ44(SG44)では、(1)核データ共分散の品質基準の作成、(2)二次中性子や角度分布等の新たな物理量に対する共分散データの収録方法、(3)共分散データの新しいデータ形式の定義等が議論されている。このうち、(1)に関連して、核データ評価において積分実験データを参考にした場合の共分散データ(相関係数)の評価方法が議論されている。SG44では、この相関係数を推定する方法を検討するために、炉定数調整法等のデータ同化手法で積分実験データを利用したときに生成される相関係数に関する数値計算ベンチマークが提案されている。このベンチマークの目的は、核データライブラリ, データ同化手法, 積分実験データ等に依らず、相関係数が一定になる可能性を探ることである。もし相関係数が一定になれば、この共分散データの評価方法を大幅に簡素化できる可能性がある。このベンチマークの提案を受けて、原子力機構が開発している汎用核データライブラリJENDL-4.0と高速炉用の積分実験データベースを用いて相関係数を計算した。この計算結果から、利用する積分実験データを変更すると相関係数は有意に変化することを確認した。
長谷川 雄太; 小野寺 直幸; 朝比 祐一; 井戸村 泰宏
no journal, ,
格子ボルツマン法に基づく乱流計算に対して、アンサンブルデータ同化の一手法である局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)を実装した。計算コードはGPUで実装しており、格子ボルツマン法の実装にはCUDAを、LETKFの行列演算および固有値分解の実装にはcuBLASおよびcuSOLVERライブラリを用いた。実装したコードを用いて2次元等方性乱流を対象としたデータ同化実験を行った。より単純なデータ同化モデルであるナッジングとの比較を行い、LETKFがナッジングよりも高い精度を示すことを確認した。
福井 悠平*; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*; 丸山 修平
no journal, ,
既存の核データ調整において、調整後核データの信頼性は核データ調整に用いた実験データの信頼性に大きく依存する。そこで、実験データの質に依存しにくい堅牢な核データ調整法を開発した。外れ値など、不適切な実験データを含む条件下でも、調整後核データが適切であることを双子実験によって確認した。
小野寺 直幸; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏; 朝比 祐一; 河村 拓馬; 伊奈 拓也; 下村 和也; 稲垣 厚至*; 鈴木 真一*; 平野 洪賓*; et al.
no journal, ,
デジタルツインに基づく風況予測は、都市街区内の歩行者に対する熱中症評価や微小粒子状物質の拡散予測などスマートシティ設計・運用に応用など、新たな社会基盤構築に貢献できる技術である。本ポスター発表では、都市街区内の風況デジタルツインの実現に向けた、観測とメソスケール気象データとのデータ同化に基づく風況シミュレーションについて紹介する。
丸山 修平; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*
no journal, ,
感度解析は不確かさ評価や炉定数調整等のデータ同化を利用した核データの精度向上の観点から重要である。本研究では、遮蔽解析において一般化摂動論(GPT)に基づいた感度解析を可能にする計算システムを開発した。発表では、それをナトリウム遮蔽実験に適用した結果について述べる。
丸山 修平; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*
no journal, ,
本研究では、ナトリウム遮蔽実験を用いたデータ同化法により、ナトリウムボイド反応度の核データ起因不確かさ低減を行った。分析の結果、中性子漏洩成分が支配的なナトリウムボイド反応度の不確かさに対して特に大きな低減効果が得られることを明らかにした。
小野寺 直幸; 下川辺 隆史*; 井戸村 泰宏; 河村 拓馬; 朝比 祐一; 長谷川 雄太; 伊奈 拓也; 下村 和也; 稲垣 厚至*; 平野 洪賓*; et al.
no journal, ,
GPUスーパーコンピュータ上において、メートル解像度の風況シミュレーションに観測データをリアルタイムに同化した、都市街区内の風況予測の実現を目指している。初年度である2022年度は、高精度に大気境界層内の風況を再現するために、風況解析コードCityLBMに対してパーティクルフィルタ(PF)に基づくデータ同化手法を適用することで、モデル変数の動的な最適化手法を開発した。米国オクラホマシティの野外風況観測実験に対する解析を行った結果、PFを適用しない結果と比較して、終日の速度の標準偏差の誤差に対して約10%の改善が実現された。東京都市街区内の風況解析として、地理情報システム(GIS)および衛生画像から構築した建物・地形・植生分布、および、防災科学技術研究所の雲解像数値モデル(CReSS)から与えられる境界条件に基づくマルチスケール解析を実施した。
長谷川 雄太; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸
no journal, ,
都市風況環境のデジタルツインの構築を目的として、GPUスパコン向けの高速な流体解析手法およびデータ同化手法のコード開発を推進している。流体解析手法として完全陽解法であり大規模計算を比較的容易にスケールさせることのできる格子ボルツマン法(LBM)を、データ同化手法としてCPUスパコンを用いた大規模データ同化として気象分野で実績のある局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)を用いて実装を進めている。本発表では、LBM-LETKFを基礎的な2次元および3次元の系に適用した結果を示し、データ同化の精度およびGPU実装の計算性能について議論する。
原田 善成*; 山口 響*; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*; 多田 健一
no journal, ,
核計算における軽水の熱中性子散乱則(TSL)データ起因の不確かさを低減するために、水槽体系の即発中性子減衰定数を用いたデータ同化を実施した。決定論的サンプリング法に基づくバイアス因子法を利用することで、核特性間に軽水のTSLデータを介した強い相関がある場合には、軽水のTSLデータに起因した実効増倍率の不確かさを低減できることを明らかにした。
小野寺 直幸
no journal, ,
日本原子力研究開発機構のシステム計算技術センターでは、原子力防災に向けた風況デジタルツインとして、リアルタイムの風況シミュレーションおよびそのデータ同化手法の開発を行っている。本発表では、GPUスーパーコンピュータSGI8600での都市の風況シミュレーション、および、風洞実験のデータ同化を紹介する。